北島さんはトレーニングの理論を語られるんですが、科学的根拠とかデータの数値とか、そういうものが大事なんでしょうか?
この記事の目次
いつも科学が正しいか?
基本的には、筋肉を大きくするには科学が必要ですね。ただ、ここで使う科学というのは、運動生理学であったり生理学のことなんですけど、その分野は「100%完璧」ではないんですよ。
ですから科学の根本となる簡単な知識は絶対に必要なんですけど、科学だけに偏ってしまうのも結構危険なんですよ。
ですから科学といままでの実績、例えば世界のトップの体を持つ人たちが何をやってきたかといい実績ですね、そのバランスが大事なんです。
本当に簡単な科学でいうと、例えば「紙に火をつける」、これは化学反応であって、酸素がある状態で乾いた紙に火をつければ燃えますよね。
これが燃えなかったら、何らかの欠陥があるわけですよ。化学反応として成り立たない部分がある。
例えば紙が濡れているとか、風が吹いて火が消えてしまうとか、部屋に酸素がなかったとか、何かしらの理由がありますよね。
それと同じで、基本的な科学を知っていれば、トレーニングをしても筋肉が育たないときに、理由を探ることができるわけです。
ですから科学は全体を通して大まかに知っておかないといけないですね。
ただ、どんどん細かく科学を追求していくと、実際に現役でやっている人も認めると思うんですけど、今の運動生理学であっても「100%完璧」ではない。
40年前のヒーローは古い?
例を挙げると、僕はアーノルド・シュワルツネッガーがすごい体をしていたことがボディビルを始めるきっかけになったんですけど、あの人は40年以上前の世界チャンピオンなんですけど、40年以上前の運動生理学って、いま聞いたらデタラメなんですよ。
もうすべてが間違っていると言ってもおかしくないくらいひどいものなんです。
でも、あの当時のアーノルド・シュワルツネッガーの体は、今の科学でも作れないくらいすごい体をしているんです。
ということは、もし今40年前にタイムスリップして、その当時の科学だけを信じて頭でっかちになっていたら、絶対に筋肉は発達してないんですよね。
アーノルド・シュワルツネッガーがやっているトレーニングを真似してやっていれば、今の科学でも説明がつかないくらい発達してもおかしくはない。
それを今現代に置き換えると、今の科学は分析もされて正確になってきてはいるんですけど、30年後の未来からしたら、今の科学は何かしら間違っている。
じゃあ、何をやったほうがいいと考えると、今ある科学をペースに実績を残している人のトレーニングを真似したり、実際に自分たちがやって筋肉が大きくなっている現象を見て、うまく融合させていくことが大事なんですよ。
知識から実践へ
トレーニング方法にもいろいろありますが、基本的には科学に基づいているものじゃなければ間違いですね。
科学に基づいて、いろいろなパターンでやっているわけですよ。
ただ、ここでもあまりに細かいところまで追求していくと、そのデータが間違っている可能性もあるので、ある程度大ざっぱな科学力を持った上で経験をしていくのが大事ということですね。
また、科学をまったく無視したデタラメなトレーニング方法もたくさんあるので、そういうものにはだまされないようにしてほしいですね。
トレーニングを始めるときに重要なのは、ちゃんとした知識を自分で理解した上でトレーニングを始めること。
トレーニングを始めてすぐにバーベルを持つよりも、「トレーニングは何が大事なのか」という勉強から入ってもいいくらです。
勉強から入ったほうがむしろ後々になって早く伸びることがありますからね。
トレーニングに筋を通す
「なぜ筋肉がつくのか?それは防衛本能があるから」という理論は100年経っても変わらないし、間違いじゃない。
だけど、例えば「ミトコンドリアがエネルギーを作っている」というような話は、もしかしたら今は常識でも間違っている可能性はある。
原理原則以外のことは浅くザックリ覚えていればいい。
あとは星占い程度の感覚で、新しい知識を取り入れていけばいいと思いますよ。
栄養学は役に立つので身につける必要があるんですけど、ベースになる科学があって、そこに星占い感覚で新しい科学を試し試し取り入れるっていうのが一番いいやり方です。
そして、やはり一番参考になるのが、現役で一番いい体をしている人のトレーニングですね。
それが、アメリカが世界でダントツトップだったので、僕はアメリカの一番いいところに行って教わったんです。
そういう体になっている人たちを目の前で見て、その人たちにトレーニングを教えてもらったって感じですね。
結局、理屈が合っているかどうかですね。
新しい科学の知識っていうのは、暗記に近いものがありますよね。
「覚えておけばいい」くらいのことは星占い程度の楽しみにしておいて、理屈がはっきりしているのが一番大事なんです。
科学というより、「筋が通っているか、理屈が通っているか」が大事ですね。今やっているトレーニングの理屈が全部説明できないのなら、やらない方がいい。
トレーニングの説明ができないってことは、ギャンブルなんです。
僕は、トレーニングでやったことを確実に自分のものにしたい。だから、確実なものにしか手を出さないんです。ギャンブルはしたくないですからね。
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