日本のプロスポーツの世界で、ウエイトトレーニングをするのは、あまりお勧めしていないのが、実情のようです。
アメリカの超がつく一流選手は、ウエイトトレーニングを行っています。
なぜウエイトトレーニングを行うのかと言うと、俊敏な動き、運動に必要なスピーディな動きを手に入れるのに大変重要であり、かつ理想の体になることも可能だからです。
しかし、日本では、ウエイトトレーニングと言えば、欧米とだいぶトレーニング方法、取り組み方、捉え方が異なり、思うように結果が出ず、あまり推奨されていません。
そう、ウエイトトレーニングの概念が違っているので、プロの世界でもまだまだ敬遠されがちなのです。
この記事の目次
なぜ日本でウエイトトレーニングは広がりを見せていないのか?
もちろん、日本の一流選手の中には、パーソナルトレーナーから独自にトレーニング方法を習って、ウエイトトレーニングを行っている選手もいます。
しかし、一般的に、日本の運動選手、プロ選手ではウエイトトレーニングを積極的に行っておらず、未だに固定概念があり、導入しずらい環境にあります。
なぜなら、日本では、欧米と違って概念が異なり、ウエイトトレーニングを行うと、筋肉が肥大し過ぎて、結果的に筋重量が重くなり、しなやかで機敏な動きができなくなると、深く信じられているからです。
日本のウエイトトレーニングで行われていた今までの主流のトレーニングは、スロートレーニングと言って、重いものをゆっくりと動かし、筋肉に刺激を与えトレーニングを行うことが主に行われてきました。
スロートレーニングは、ウエイトトレーニングの一種なのですが、ゆっくり行うため、遅筋が働きやすくなってしまいます。
この遅筋は、ジョギングやマラソンなど有酸素運動を行うときや、持久力を養うのに必要とする筋肉の種類です。
これは、筋肥大しにくいという特徴があり、負荷をかけて筋力トレーニングしても、十分な筋肉がつかず、速筋の特徴である瞬発力を鍛えるのには適していません。
スロートレーニングはまず、遅筋が主に働くので、プロ野球の選手や、短距離選手など、動きが早く、一瞬で勝負が決まるようなスポーツに不向きです。
なので、欧米諸国のように、パワーがあり、動きが早いトレーニングを行っていないので、日本では瞬発力とウエイトトレーニングは、関係が薄いと思われています。
日本のウエイトトレーニングの内容は、スロートレーニングで遅筋を鍛えすぎてしまい、結果的に、スピードや瞬発力を求める競技やアスリートには不向きとされ、アスリートが育ちにくい環境になってしまっているのです。
本当にウエイトトレーニングで瞬発力は本当に養える?
瞬発力とは何か?
瞬発力は筋肉のパワーのことで、単位時間あたりどれくらいの力を発揮できるのかという、筋のパワー、大きさのことを指します。
この瞬発力を上げるには、重い負荷をかけながら、できるだけ速くウエイトトレーニングを行います。
最大筋力と素早い筋肉の動作を可能にし、筋肥大+瞬発力を手に入れる速筋が育ちます。
正しいウエイトトレーニングで速筋を鍛えれば、瞬発力と筋パワーを養え、メジャーリーガーのように筋肉隆々で、しかもパワフルなスウィングができる体になります。
日本と違い、欧米のウエイトトレーニングは瞬発力を鍛えるため速筋を発達させていると先ほども言ったように、短距離選手やウエイトリフティングなどのスポーツ選手は瞬発力を必要とするスポーツなので、核となる速筋を鍛えるトレーニング方法が色々と取り入れられています。
瞬発力を養うのに必要な速筋って何?
縮む速度が速く疲れやすい筋肉のことで、大きな力を発揮しますが、持続時間が短いのが特徴です。
この速筋は、酸素を使わず解糖系と言って速筋繊維に蓄えられている糖分を一気に分解してエネルギーを生み出します。
速筋を使う瞬発的な運動をすると、疲労物質の原因である乳酸が大量に作られます。
しかし近年の研究で乳酸は、次の段階に使われるエネルギー源に転換されるとわかってきました。
解糖系は、筋肉中に蓄えられているグリコーゲンをグルコースに分解して、短時間にエネルギーを作りだせますが、長時間の使用は困難です。
解糖系は有酸素系と比べるとかなり強度の高い運動、つまりパワーを生み出すことが可能です。
短時間の間に力を必要とする場合は、速筋の働きが大いに関係しています。
スロートレーニングは日本のアスリートに間違ったイメージを与えてしまった?
日本には運動選手など、競技によってはウエイトトレーニングをする文化があまり根付いておらず、試合当日の筋肉痛を恐れてウエイトトレーニングを放棄する人もいます。
もちろん、継続してれば、筋肉痛は起こりにくくなります。
本来、スポーツ選手などが行うウエイトトレーニングは、身体技術、技能の向上のみならず、最大筋力、出力を発揮することを目的としてトレーニングしているわけです。
メダル級の短距離選手であれば、通常必要とされる瞬発力や持久力の他に、強いパワー(爆発力)を生み出す、それに耐えうるだけの体作りも大切になっていきます。
欧米などウエイトトレーニングが発展しているところでは、世界的スプリンターと言われる人の体つきがしっかりしているのは、そのためです。
極限まで技術とパワーを兼ね備えられるようにしっかりとトレーニングを行っているので、その身体から生み出されるパワーを十分発揮できる大きい体(体型)が出来上がってないと、競技に結果を残せなくなるので、どうしても体は大きくなってしまいます。
日本人は、体を大きくすることや、筋肉を必要以上につけて何になるのかと考えがちです。
まず、スポーツ技術が向上しやすいように体重を増やさないようにしたり、体を絞るトレーニングメニューを行います。
技術の発展のみに目が行きがちになります。それが日本人特有のウエイトトレーニングに対する誤りを生み、故障という形で、選手生命の寿命を短くする後遺症が現れやすくしています。
それゆえ、スリムな絞った体は、自分のパワー、筋の最大出力に耐えられなくなり故障が増えてしまうのです。
まとめ
いわゆる日本式のスロートレーニングでは、遅筋も刺激しやすくなるので、速筋を育てることはできません。速筋は、強い負荷とスピードを重視したウエイトトレーニングをすることでしか育ちません。
スポーツ選手がスピーディーでダイナミックなパワーがある動きを行おうとするのなら、ウエイトトレーニングという下地がどうしても必要であるし、積極的に取り入れていく必要があります。
あなたにおすすめの記事
Copyright © 2016 Ambitious inc. All Rights Reserved.
※本サイトの記事の転載、転用を固く禁じます。発見した場合は法的処置を取らせて頂きます。