有名芸能人の肉体改造がニュースで取り上げられることがありますが、その時にベンチプレスの重量まで公表しますよね。
やっぱり、ベンチプレスって重たい重量を上げられた方がいいんですか?
確かに重いバーベルを持てるのはスゴイと思うんですけど、重さで勝ち負けが決まるものじゃないですよね?
この記事の目次
重さ×速さ
どういうことを期待してウエイトトレーニングやっているかを考えてもらえば分かると思うんですけど、重い重量を使うのがいいか悪いかで言えば、いいとも言えるし悪いとも言えるんです。つまり、「レベルに応じて」ってことなんですよ。
ウエイトトレーニングは、重りをつけることによって重力に逆らって刺激を、ベンチプレスでは胸に与えて、今までにない外敵が襲ってくるっていう錯覚を起こして、もっと強くならなきゃということで環境に対応するために筋肉がつくんですけど、これはついている重さだけが胸に入ってくる重さではないわけですよ。
例えば同じ重さでも、物理の法則で物体を倍のスピードで動かすことが出来れば4倍の重さになるわけです。単純物理でそれがあるわけですね。ということは、100kgを倍の速度で上げたら400kgになるわけです。
例えば、Aさんが50kgのベンチプレスをやっていました。重力に逆らわないように上げたら、50kgなわけですよね。そして、Bさんは30kgのベンチプレスをやっていました。だけど倍の速度で上げています。そうすると 3×4=12で、120kg上げたことになるわけですよね。30kgのベンチプレスが、120kgに匹敵するわけなんですよ。
そうなってくると、見た目のプレートでは実際に胸に何kg入っているかは分かりづらいわけですよね。
ブリッジで重量偽装
さらに、胸だけで上げないで、ブリッジを強くして背中を使ったり、腕や肩の力を多大に使って上げれば、例えば100kg持っていても胸は10kgしか使ってないとか、そういうこともあり得るわけですよね。思いっきりブリッジして脇を締めてやれば、ほぼ背中でいけますから、胸なんかほとんど使わないんです。
だからブリッジしながら「重いのを上げた」って言ってる人は、胸の筋肉が全然ついてなかったりしますよね。逆にいえば、胸だけで早く収縮してガシッと固めることやれば、相当軽いものでも胸にストレスを与えることは出来るので、筋力は当然ついてきます。
ただ、それにはテクニックがかなり必要になるので、初心者は正しいフォームである程度の重さにチャレンジしていった方が、手っ取り早く筋肉がつくのは確かです。
ある程度年齢が上がったり、キャリアが多くなったりして力がついてくると、ただ単に重いの上げていたら怪我の繰り返しになっちゃいますね。そうなると、テクニックやスピード感、筋肉の収縮感とかを考えて、より軽い重量で重いストレスを胸に与えるっていうテクニック身につけなきゃいけなくなるわけですよ。ですから、重い重量でベンチプレスをやるっていうのは、初心者の段階ですよね。
力持ち競争ではない
ですから、肉体改造に成功した芸能人が「ベンチプレスが○○kgだ」っていうのは、初心者でやる争いですよね。ボディビルダーでも、欧米のワークアウトをしてるアスリートでも、初心者は「ベンチプレスが○○kgだ」なんてよく聞いてきたりしますからね。でも上級者になると、ベンチプレスの重さなんか、まったく気にしないんですよ。重いのが上がるのは当たり前なので、今度は怪我しないように上手くテクニックを使って、軽い重量でも筋肉にだけ重さが入る方法を身につける。速くやったり、一部分の筋肉だけを使って上げるっていうテクニックを身につけないと、大きくはなれないんですよね。
最初の段階では、ベンチプレスの記録にチャレンジしてもいいかもしれないですけど、ある程度いったら、軽い重量でもっと強い刺激を与えられるように、筋肉の収縮速度を早くしたり、出来る限り部位だけで上げるとかっていうことを身につけてやらないと、大きくならないですね。
日本人の平均的な骨格でいったら、100kgぐらい上がるようになるまではある程度重さを競ってもいいんですけど、そこから先は丁寧にやるようにしていった方がいいと思いますね。
ただ100kg上げても、ブリッジとかを使っちゃダメですよ。ブリッジしないで、正確なフォームで100kgぐらい上がるようになったら、あとは重さを追求するよりも正確性でいった方が怪我も少ないですね。
それは骨格によっても変わってきますけどね。骨格が丈夫な人であれば130kg上がるようになってから丁寧にっていう場合あります。あとは速筋繊維と遅筋繊維の比率によっても、もともとの素質によっても、重めを使った方が効果の出る人と、軽めが効果の出る人がいますね。
重量は100kgが目安だけど…
ただ、重めの方が効果の出る人でも、やっぱり年齢とともにある程度、あとちょっと使用重量が増えてくると、軽くしないと怪我してしまうので、結局は前に進めないってことになります。
僕の場合も、もともとは速筋繊維が多い方で、ほんとに3回くらいしか上がらない重量のベンチプレスの方が筋肥大してたんですけど、ある時を境に上がる重さによって怪我ばかりするようになってきたんです。それからは回数を増やしたり、やり方や角度をきっちり守ってやったりというテクニックを身につけて、早く収縮することにこだわって、使用重量を下げてってやってる感じですね。
重さにチャレンジしていくと、3桁っていうのは上げたいところでしょうね。100kgぐらいまでは正しいフォームだったら、そんなに大怪我はしないと思います。骨格にもよりますけど、骨格がすごく小さい人だったら100kgでも大怪我する可能性があるので、それは臨機応変にということですね。
目的はベンチプレスの重さを上げることじゃなくて、ベンチプレスであれば大胸筋を鍛えることなので、その目的を失わないようにしてほしいですよね。
重いもの上げても筋肉つかなかったら意味がないですから。そういったところをはき違えずに、やってください。
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