「毎日1・2時間トレーニングをしているが、なかなか効果が出ない」
そんな相談をよく受けるが、そもそも考え方が間違えている。筋肉を付けるためのトレーニングに努力は不要!そのあたりを解説しよう。
この記事の目次
間違った努力
毎日1・2時間のウエイトトレーニング・・・、完全にやり過ぎだ。
これは、真面目な日本人が一番陥りやすいミスだ。ウエイトトレーニングを「鍛錬」と捉えてしまい、「頑張れば頑張るほどいい」とか、「努力は報われる」と思っているが、トレーニングは鍛錬でも、我慢強さを試すものではない。
そもそも何のためにウエイトトレーニングをしているのかを思い出してみよう。重たいバーベルを何度も持ち上げられるようになりたいのではなく、筋肉を大きくしたかったからだろう。
トレーニングをしても効果が出ていないのなら、それはトレーニングになっていない。
アメリカで流行る理由
ウエイトトレーニングが一番盛んな国はアメリカだが、なぜアメリカであれほど流行るのだろうか。
アメリカ人の性格を一括りで語るのは少し乱暴だが、日本人よりも物事に対して地道に、忍耐強く、毎日コツコツやるのが好きな性格とは言い難いだろう。
囚人ですらトレーニングをする国で、鍛錬や苦行が流行るわけがない。
ウエイトトレーニングは好きなときに好きなようにやるからこそ効果が出るし、そこがアメリカ人に受けているのだ。性格的にいえば、忍耐強いというより、短気でわがままな人のほうがウエイトトレーニングの効果が出やすいといえる。
2種類の筋繊維
筋繊維には2種類ある。一つは速さと一瞬の力を出せる速筋であり、もう一つは持久力が付く遅筋だ。
ウエイトトレーニングで付けたいのは、太い筋肉である速筋の方だ。速筋を鍛えるには、時間を掛けないことがポイントだ。なぜなら、トレーニングを長時間すると、遅筋が発達してしまうからだ。
100m走の選手とマラソン選手の体を比べてみよう。マラソン選手ももちろん筋肉は付いているが、100m走の選手に比べて圧倒的に細い。一方、100m走の選手には、はち切れんばかりの筋肉が付いている。つまり、100m走の選手には10秒を本気で走るために太い筋肉の体が必要で、マラソン選手には2時間走るために細い筋肉の体が必要ということだ。
これをトレーニングに置き換えると、10秒で太い筋肉を作り、2時間で細い筋肉を作ることになる。筋繊維の種類によって、目的もトレーニング内容もまったく異なることが理解できるだろう。
速筋を鍛えるチャンスは一瞬
速筋の最大筋量は1日に1回しか出せない。
100m走の予選で優勝候補の選手が本気を出さないのは、手抜きをしているからではない。最高タイムは1日に1回しか出せないから、その瞬間を本選まで温存しておくために調整しているにすぎない。
ウエイトトレーニングも同じで、鍛えるチャンスは1日1回。本気の1回がダメなら、その日はもう取り返せない。
3セットやるなら、1・2セット目はウォーミングアップでテンションを高め、3セット目で本気を出して終わり。それ以上やっても効果がない。ウエイトトレーニングは短時間でどれだけ集中できるかがポイントで、集中すればするほどトレーニングの効果は出やすい。
筋肉を大きくしたいなら、1日に5分から10分の集中したトレーニングを週2・3回やるだけで見違えるような体になる。毎日&長時間のウエイトトレーニングは百害あって一利なしだ。なぜなら、トレーニングは鍛錬でも努力でもないからだ。
<まとめ>
何にでも真剣に取り組むのは日本人の美徳だが、筋肉の仕組みを理解しないまま間違った努力をしても、それは徒労に終わってしまう。目的によって達成方法が違うように、筋肉を大きくしたいなら、短時間の集中したトレーニングメニューに切り替えよう。
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