マシンとフリーウエイトではどちらがいいか悩む人も多いだろう。
マシンは効かせたい筋肉に効かせやすく、体勢が崩れる心配もないが、フリーウエイトの方がカスタマイズできるのでいいという意見もある。
どちらも使い方次第なので、その方法を解説しよう。
初心者はどっち?
ベンチプレスやスクワットなどのフリーウエイトは、基本種目といえども奥が深く、初心者のうちは目的の筋肉に効かせるのが難しい。
その点、マシンは強制的に目的の筋肉しか使えない状態になるので、マシンの方が簡単なように感じる。
実際、ほとんどのジムでも最初にマシンを勧める場合が多い。だが、その結果どうなるかというと、思うように筋肉が付かない。
きちんと鍛えているはずなのに、この結果はなぜだろう。
刺激の比較
筋肉は防衛本能が働くことによって大きくなる。
筋肉は刺激を受けると、「外部からスゴイ敵がやってくるから、それに備えて筋肉を付けなくてはいけない」という信号を脳に送る。
マシンとフリーウエイトの刺激を比べたら、どちらが強いだろうか。
マシンは軌道が安定しているので細かいケガをしやすい側面はあるが、重大なケガはしづらいので精神的な安心感がある。
一方、バーベルは一歩間違えると命に関わるような危険にさらされているので潜在的な恐怖感がある。
両者を比べると、当然バーベルの刺激の方が強い。
例えば、マシンでラットプルダウンという種目がある。これはマシンに腰かけてバーを引く種目だが、これよりもワイドグリップで行う懸垂の方が効果は高い。
懸垂は筋肉からすれば自身のシチュエーションが分からないので、「ぶら下がる=崖かもしれない・落ちたら死ぬかもしれない」と認識してしまう。
そうなると、座ってやるマシンよりも強い刺激となり、アドレナリンも出るしリミッターも解除する。
同様に、ベンチプレスも重さがそのまま体に掛かるので、体勢が崩れる危機感から防衛本能が働く。
このように、フリーウエイトの方がより刺激が強いので、テクニックのない初心者でも効果が出しやすいのだ。
初心者こそ、フリーウエイトのやり方を早く覚えた方がいい。
マシンは上級者向け
では、誰がマシンを使うかというと、それは上級者だ。
上級者なら、マシンを使うことでトレーニングの幅を広げることが出来る。
例えば、肩をケガしているときにバーベルを持ち上げることはできないが、マシンを使えば別の筋肉を鍛えることが出来る。
また、多角度からシルエットを整えるときには、余計な体力を使わずに追い込みたい部位だけを追い込めるメリットがある。
マシンはフリーウエイトに比べると刺激が弱いので、テクニックがないと目的の筋肉に効かせることが出来ないし、自分で筋肉をコントロールしないとマシンを使いこなせない。一見、マシンの方が簡単に見えるが、こちらの方が難しいのだ。
ちなみに、初心者がジムで最初にマシンを勧められるのは、1週間くらいの研修を受けた程度のトレーナーはフリーウエイトをきちんと教えることが出来ないからだ。
マシンの使い方なら知識のないトレーナーにも教えられるが、肝心のテクニックを教えられないので、やっても筋肉が付かない。
結局、「初心者にはマシン」というのは、初心者に配慮したものではなく、ジム側の都合なのだ。
体幹トレーニングは不要
最近、体幹トレーニングが流行っているが、体幹だけを意識してトレーニングする必要はない。
普通にウエイトトレーニングをしていれば、必然的に体幹が鍛えられるからだ。
体幹だけを鍛えても、腕や脚などのパワーを発揮する部分が弱ければ意味がない。
パフォーマンスを上げるには、体の軸の部分と上下のパワーを出す部分のバランスが取れていることが大事だ。
体幹トレーニングだけやっていては、かえって全身のバランスを崩してしまうことがある。
初心者が全身を整えてカッコイイ体にするには、重心の取れたキレイな立ち方でフリーウエイトをするのが一番の近道だ。
<まとめ>
意外に思うかもしれないが、初心者はフリーウエイトに専念、上級者はマシンをプラス、というのが正解だ。
初心者のうちはマシンのテクニックを覚えるより、正しいウエイトの扱いを覚えた方が効果は出しやすい。
ジムのトレーナーの言いなりにならず、いまの自分に必要なものを選んでカッコイイ体を作っていこう。
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