三か月単位でトレーニング方法を変えると、効果的に筋肉を鍛えられるという理論があります。実際に三か月単位でトレーニング種目を変えることで、効果的に筋肉が発達して負荷重量が上がった人もいます。
逆にトレーニング種目を変えたのに、負荷重量が全く変わらない人もいます。変わらなかったばかりか、以前トレーニングを行った時よりも、負荷重量が下がりショックを受ける人もいます。
三か月単位で、トレーニング種目を変えることで、負荷重量が上がる人と、上がらない人の違いは、一体どこにあるのでしょうか?
この記事の目次
筋力は重量を変えただけでは発達しない!?
三か月ごとのトレーニング方法を変える理論を知る前に、まずは大前提となる筋肉の発達の仕方について正しい知識を持ってください。正し知識を持つことで、トレーニングを行ううえで、より効果的にトレーニングをすることができるようになるからです。
筋肉は重量が重たいものを持ち上げると発達すると考えている人が多いと思いますが、それは間違いです。多くの人が勘違いしてしまうことですが、トレーニングするさいに負荷重量を上げることは、そこまで重要ではありません。
重量が上がるのは筋肉が発達したわけではない
重量を増やすことで、最初は上手く持ち上げられなくても、段々と持ち上げるのが上手くなっていった経験はありませんか?重量負荷を増やしたトレーニングが上手くいと、筋肉が発達したと勘違いしてしまうことがありますが、単に持ち上げ方が上手くなっただけで、筋肉が発生した結果でないことも考えられるのです。
さらに、筋肉を意識して使うことで、筋肉に繋がっている神経が活発化して、筋肉を動きやすくする作用が人の体にはあります。
重たいものが持ち上がるのは、筋肉の発達の結果でなくて、神経の作用で筋肉が効果的に使われることだってあるのです。トレーニングするときに負荷重量が増えたからといって、筋肉は発達していないこともあるわけです。
筋肉を発達させる秘密とは?
負荷重量を上げただけでは筋肉は発達しないとしたら、何をすればよいのでしょうか?
筋肉を発達させるには、筋肉に違う刺激を与えることを行う必要があります。筋肉は同じようなトレーニングをして、同じような刺激を受けても、なかなか発達しません。そんなときはトレーニング方法を変化させることで、筋肉の発達を促すことができるのです。
人の体は、毎回同じような刺激が加わると、刺激に慣れてしまいます。同じような動作をすると、その動きを効率化しようと体が反応します。つまり、自分の体にとって楽をしようとするわけです。これを順応と言います。
なので、重量の負荷を上げたとしても、同じ刺激を与え続けることは、筋肉の発達を阻害することにしかなりません。もちろん、負荷重量を上げたとき筋肉は反応しますが、トレーニングを続けると、重量に慣れてしまい筋肉の反応は低下します。つまり筋肉は発達しなくなります。
筋肉を発達させるには、定期的に刺激を変えるべきです。入力される刺激が変わると、体は「今までに無い刺激が筋肉に入ってきた」と感じ取り、自分を守ろうとして本気になるわけです。
筋肉が本気になると、筋肉の力が上手く引き出されることになり、筋肉が発達しやすくなるわけです。
筋肉本来の力を最大限に引き出すトレーニング方法がコレです。
筋肉に違う刺激を与えることが、筋肉の発達につながりますが、実はあることを行うと、より筋肉の力を引き出すことができるようになります。それは、一か月か二か月に一回、間違ったトレーニングを行うことです。
(これも注意が必要ですが、間違ったトレーニングを行うのは、あくまでも一か月か二か月に一回で十分です。正しいトレーニングを10回行ったら、間違ったトレーニングを10回行ったりすると、返って体には悪い結果しか残らなくなります。)
例えば、100回軽いベンチプレスを行ったり、永遠にベンチプレスを10セットづつ行う、スクワットを回数無制限で行うとか、とにかく理論から外れたトレーニングを行うわけです。
このような間違ったワークアウトを行うことで、体は常に安心しなくなるので、正しいワークアウトに戻ったときに体はよく反応してくれやすくなります。
筋肉は、いつもと違う全く異質の刺激に対抗しようとして、筋肉自身が本来持っている力を発揮しようとするわけです。必ずしも正しいワークアウトを行うことが、良い答えを生み出すとは限らなくなります。
筋肉に効果的な刺激を与えるためには、どう鍛えたらよいのか?
筋肉に効果的に刺激を与えるワークアウトの基本は、速筋を鍛えるために早いスピードで限界まで行うこと、これに変わりはありません。
この基本の鍛え方を守りつつ、筋肉に効果的に刺激を与える二つの考え方があります。
一つ目は、回数・インターバル・スピードを変化させていく方法です。
二つ目は、周期的に刺激を変える方法です。
一つ目、回数・インターバル・スピードを変化させていく方法とは?
例えば、二十回行っているトレーニングを、重量を重たくにすることによって、十回を限界にしたとします。二十回を十回にすることで、自然とスピードはゆっくりしたものになりますが、単にスピードが落ちたわけではなく、筋肉は最大限のスピードで動いているので、実際はゆっくりしているわけではありません。
重量を変化させることで、筋肉に与える刺激を変化させることができるので、筋肉には有効な刺激が加わりやすくなるのです。
二つ目、周期的に刺激を変える方法とは?
トレーニングを行うさいに、中期的な計画をたてて、週によって低い負荷、中程度の負荷、高い負荷をかけながらトレーニングを行う方法です。
例えば、ベンチプレスを行うさいに、あらかじめ六週までの計画を立てたとします。
初めの一週から二週までは低い負荷、
三週から四週にかけては中程度の負荷
五週から六週にかけては高い負荷
をかけるようにしていくと、筋肉に対する刺激は常に変化していくので、筋肉を休ませないで、常に刺激が入るようになります。筋肉に与える刺激をコントロールすることで、筋肉は変化していきます。
この理論を知ったうえで、三か月単位でトレーニング方法を変えるのは有効なのか?を考えてみたいと思います。
三か月単位でトレーニング方法を変えるのは有効なのか?
三か月という期間は、人の体の細胞のほとんどが入れ替わる期間にもなるので、だいたい三か月で刺激になれてしまい筋肉が発達しません。
それを避けるためにも、定期的に筋肉に与える刺激を変えることはとてもよいことです。ただし、単にトレーニング種目を三か月単位で変えるだけでは意味がありませんし、トレーニングを行うジムによっては、多種目のトレーニングに対応できないジムもあります。
なので、無理にトレーニング種目を変える必要はありませんが、筋肉に効果的な刺激を与えることができるのであれば、トレーニング種目を変えても問題はありません。
トレーニングの種目を変えることが大事なのではなく、筋肉に与えられる刺激をどうやって変化させるのか、を意識してトレーニングを行うことがポイントです。
例えば、六か月続けてベンチプレスを行うとき、ワークアウトの限界を5回に設定したものを、2回にすることによって、筋肉に与えられる刺激は全く違ったものになります。トレーニング種目は変わらずにベンチプレスですが、種目を変えないでも、筋肉には効果的な刺激を与えているのです。
人にとっては種目を変えることは大きな変化ですが、筋肉にとっては外部からの刺激が入ってくることに変わりはないのです。種目を変えることよりも、筋肉に対する刺激を変化させるトレーニングを行うことを重視する、そこを考えてトレーニングを行っていくことを心がけてください。
なお、三か月単位でトレーニング種目を変えるにしても、変えないにしても、基本的なベンチプレス・スクワット・ラットプルダウンなどのワークアウトは継続し実行していかないと筋力アップをするのは難しいので、この3つは、ずっと通してトレーニングを行うようにしてください。
こんな記事も読まれています
Copyright © 2015 Ambitious inc. All Rights Reserved.
※本サイトの記事の転載、転用を固く禁じます。発見した場合は法的処置を取らせて頂きます。