北島さんはいつも「体重バランスが大事」って言いますけど、具体的によく分からないんです。
トレーニング中は鍛えようとしている部分の筋肉に集中していて、正直なところ、体重バランスのことまで考えられないです。
ジムのトレーナーからも注意されたことないですし、本当に体重バランスって、そんなに大事なものですか?
この記事の目次
一生懸命、不細工な体形を作ってる!?
多少間違ったワークアウトをしても、時間が掛かったり、大して筋肉が大きくならない程度で、ある程度効果は出るんですよ。間違っていたとしても、特に最初のうちは新しい刺激なので、効率的じゃなくても効果は出る。例えば10年やって、1年分の効果しか出ないとしても、やらないよりは効果が出るわけなんですよ。
ただ、体重バランスが違う状態でやってしまうと、やればやるほど体形がかっこ悪くなってしまったり、スポーツに役に立たなくなってしまったりするので、ここは絶対間違えちゃいけないところなんですよね。
なぜそんなに体重バランスが大事かって言いますと、人間は2本脚で立っているので、体重をどこにかけるかが重要なんですよ。体重バランスのことを、身長に対する体重の比率って思っていた人がいたみたいなんですけど、そういうわけではないですよ。
足の裏のどこに体重をかけるか、乗せるかです。2本脚で立っているので、どこに体重を乗せるかで、全体のバランスのとり方が変わってくるんですよね。ですから、体重バランスっていうのは全身に影響してきます。
体重バランスが踵にかかってしまうと、全てが台無しになってしまうと言っても過言ではないですよ。なぜ踵に体重をかけると台無しになるかっていうと、走ったりジャンプをしたり、スポーツのアクションを起こす時は必ずつま先の内側に体重が入っているんです。
あとはスキーであったりスケートであったりサーフィンであったり、バランスをとるスポーツも大体は前の内側に体重がかかってないと上手くできないです。踵に体重をかけてジャンプすることはできないですよね。
踵は要らない?
さらに、野生の動物なんかは、肉食獣も草食獣もそうですけど、走る時に踵が着くどころか、踵がない動物がほとんどですよね。象は踵に近いものが若干あったりしますけど、速く走る動物はまず踵の存在すらない状態になっていて、馬に至っては指で立っているような感じになっています。ですから、運動には踵が必要ないんですよ。ということは、踵に体重を乗せてウエイトトレーニングをやってしまうと、運動の動作とは関係ないところの筋肉が付くわけなんですよね。
ですから、運動に使わない筋肉だけが発達していくってことは、運動に役に立たなくて重りになるだけ。日本では踵体重の人が多いので、ウエイトトレーニングをやればやるほど、動きが鈍くなる。だから、やめろって言われることになるんですよ。
体重バランスは、一般的な靴のメーカーとかのデータによると、98%近くの欧米人はつま先の内側重心にかかっていて、東アジアの人間は踵の外側にかかっているのが約8割って言われてるんですよ。ということは、日本ではつま先重心の人が2割くらいしかいないので、ウエイトトレーニングを始めた時に、2割くらいの人しか運動に役に立つようなフォームができないんですよ。
さらに「踵重心の方がいい」と推奨している人がいっぱいいるので、ほとんどの人がそっちに強制されて、結局ウエイトトレーニングが悪者にされてしまう。それで「ウエイトトレーニングはやらない方がいい」っていう風になってしまうんですよね。
さらに、体重バランスが悪いことによって、スポーツに役に立たないように筋肉が発達すると、見た目もやっぱりかっこ悪いんですよ。なぜかと言うと、運動能力に関係ない筋肉だけが発達しているということは、運動能力が低いっていう見た目なので、本能的に異性からも好かれないし、同性からも脅威を感じない。それでかっこ悪い体形になるわけなんですよね。
かっこ悪い体形 VS かっこいい体形
具体的にどういう体形になるかっていうと、踵に体重がかかってワークアウトした場合、まず足首が太くなりますね。そして、膝が太くなって、お尻の下に縦長の筋肉がついて、さらに肩幅が狭くなって首の僧帽筋が縦につくので、胴体が寸胴になります。
そうすると、ワークアウトをすればするほど、首の僧帽筋だけがゴツくなって、肩がストンと落ちて、胴体が四角くて、ももがそんなに張り出してなくて、膝がドスンと太くって、足首・ふくらはぎが下の方にがっちりつくような感じですよね。日本でワークアウトをやってる人って、そういう体形に近づいてくる人が多いと思うんですよ。
それに対してつま先重心だとどうなるかっていうとですね、足首が細くなって、ふくらはぎの位置が上に上がります。さらに膝が細くて、太ももの付け根だけが太くなってきますね。さらにお尻の下よりも上の中殿筋というお尻の上の方に筋肉がついてきて、ウエストが引き締まって三角筋がまるまると発達して、逆三角形の体ができるわけなんです。あと背中も広背筋が発達するので逆三角形なりますね。だからその差が出てくるんですよね。
結局、それは運動能力が高い筋肉のつき方なので、かっこよくも見えるしスポーツにも役に立つわけなんですよ。日本では、自重トレーニングはいいけどウエイトトレーニングはダメっていうことがありますよね。自重トレーニングっていうのは、誰にも教わらないでやるので、ジャンピングスクワットとかやったりするわけじゃないですか。そうすると、2割の人間はやればやるほどいいバランスでやるんですけど、それを一回バーベルを担ぐことによって踵に体重をかけなさいって教えられちゃうんです。しかもゆっくりやれとかいうことになるので、そこで役に立たなくなるっていう風に迷信ができちゃってるんですよね。
ウエイトトレーニング=スポーツ
それに比べて日本以外のほとんどの国では、ウエイトトレーニングはスポーツには欠かせないポテンシャルを上げるものの一種だと言われている。しかも、みんな「トレーニング」って言い方しますけど、「ワークアウト」っていう言い方しかしないですから。ウエイトトレーニングって名称では呼ぶけど、実際にやることはワークアウトなんです。結局、結果を残さないと意味がないということで、スポーツの結果のためにやってて、体をかっこ良くするためにやるのがワークアウト。体重バランスがいい欧米人にとっては、「やればやるほど良くなるのは当然だ」ということで人気があるわけなんですよね。
ですから、その明暗を分けているのが全て体重バランス。日本では8割くらいの人が自然と踵に入ってしまうので、それを日本人は考えて修正しなきゃいけないんですよ。
つま先重心の人はほぼいないので、踵重心からつま先重心に常に意識してやらなきゃいけないってことですね。どのくらい意識しなきゃいけないかっていうと、「パッとバーベルを持って、パッと始める」ってこと自体がもう間違いなんですよ。欧米人の場合はそれでもうまくいくかもしれないですけどね。
どのくらいしっかりやるかっていうと、例えば、野球のバッターがバッターボックスに入ったり、ゴルフ選手がスイングを打つ前であったり、テニス選手の構えもそうですけど、スポーツの構えとかスタートポジションがありますよね、あのくらいしっかりポジションをキープして、それからワークアウトを始めなきゃいけないわけなんですよ。
ワークアウトはポジションが決め手
これはワークアウトをスポーツと捉えていれば当たり前の話なんです。パッと構えてパッとやるスポーツなんかないですよね。バッティングセンターやゴルフの打ちっぱなしですら、立ち方をしっかりやると思うんですよ。足の確認もしないで始めるっていうのは、そもそもワークアウトを運動として、スポーツとして見てない。ワークアウトは別物だと思っちゃってる人が多いですよね。
ワークアウトすること自体がスポーツなので、スポーツで結果を出すためには体重バランスをしっかり取らないといけない。他のスポーツではポジションをしっかり取っているのに、なんでワークアウトの時は適当にやるのっていうことなんですよね。あと、しっかりポジションを取っても、踵ポジションだったり。
「スクワットを踵重心でやりなさい」っていう人には、「じゃあ、同じ足の幅でジャンプをする時に、どこに体重かけますか?」って聞きたいですね。踵に体重をかけたままジャンプできるかっていう話です。ジャンプする時はつま先の内側に体重をかけてジャンプしないといけないですよね。ただジャンプをするよりは、バーベルを担いだ方がさらに効果が出るだろうっていうのがウエイトトレーニングの本来の目的なわけですよ。ジャンプをする時につま先体重なのに、ウエイトトレーニングだから踵体重でしかもゆっくりでいいっていうのは、全く役に立つわけがないんです。
ですから、本当に原点に戻って、ウエイトトレーニングとは何かっていうことなんです。そもそも何も使わない自重のトレーニングをやるより、プラスアルファで重りを持てば負荷が強くなるので、ポテンシャルが上がるだろうっていうのが、ウエイトトレーニングの本来の目的。そこの原点からまず離れてはいけないわけですよね。ですから、それをちゃんと分かっていれば、ジャンプをする時と同じ体重バランスでスクワットしなければいけないっていうのは当然の話なんですよね。そこが体重バランスの一番分かりやすいところなので、そこで判断してもらうといいんですけど。
ポジションは意識的に作る
多少間違ったワークアウトをしても、苦労してなかなか体が変わらない程度で済んだり、長時間やればある程度のレベルまでは行くんですけども、体重バランスを間違えてしますと「やらなきゃよかった…」っていう体形になってしまうんですよね。
どんどん不細工な体形になって、どんどん鈍くなったりとかするので、ワークアウトをやらない方がいいってことになっちゃうんですよ。
体重バランスさえよければ、多少間違ったワークアウトをしても苦労するだけで済むんですよね。大したレベルに行けないだけとか、人の3倍も4倍もかかるだけで済むんですよね。怪我してしまうこともありますけども。
ただ、体重バランスを間違えてしまうと、やればやるほど不細工、やればやるほどスポーツに役に立たないってことになってしまうので、体重バランスだけは絶対に間違えないでほしいですね。
体重バランスがとれないようだったら、やらない方がいいってことなんですよ、結局は。体重バランスを強制してやらないとワークアウトはしないでください、っていうのが正解なところかもしれないですね。
ポジションは無意識で作るんじゃないです。僕でも必ず毎回意識して作ります。どんな一流選手がバッターボックスに入っても、ポジションを意識しないで打つ人なんていないですよね。それこそ、一流選手ほどきっちりたぶんそこはやるところなんですよ。一番大事なとこなんですよね。そこができてなかったらやらない方がいいってことですから。
こんな記事も読まれています
この記事の動画はこちら https://www.youtube.com/watch?v=etZw9hbCwYY
Copyright © 2015 Ambitious inc. All Rights Reserved.
※本サイトの記事の転載、転用を固く禁じます。発見した場合は法的処置を取らせて頂きます。