「超回復に48時間から72時間掛かるということは、同じ部位のトレーニングを週に2回やっても大丈夫なのでは?」と思って、
実際にやってしまう人がいるので、超回復について説明しよう。
この記事の目次
完全な回復ではない
超回復は48時間から72時間掛かるが、これは体が完全に「元の状態に戻っている」「元の状態より良くなっている」ということではない。
単純に、エネルギーが満タンに戻った状態に過ぎない。
体にエネルギーが戻っても、トレーニングで使った腱や筋膜を傷めている場合がある。スポーツをした後に起こる筋肉痛などがその証拠だ。
つまり、炎症が収まっていない可能性がある。
また、元の状態に戻っていないということは、筋肉の成長準備が出来ていないということなので、ケガをしてしまう可能性が高くなる。
これが、一つの部位について、週1回のトレーニングを勧めている理由だ。
期間限定の「ムリ」
ジムでトレーニングをしたときに周りを見回してみると、筋肉の付き方やパワーには個人差が大きいことが分かるだろう。
自分と同じような体型でも、持ち上げられるバーベルの重さが全然違う人や、動きのキレが違う人を見つけることが出来る。
超回復における個人差もそれと同じで、同一部位を週2回やっても平気な人がいる。
ただし、それはその人の体調や年齢による部分が大きいし、なにより長くは続けられない。
初心者なら、負荷自体が軽めなので、ダメージが少ない場合もあるだろう。
10代後半で成長ホルモンが旺盛な時期なら、他の年代より筋肉の回復は早いだろう。
熟練のボディービルダーなら、体のキレの良さを感じて、敢えて負荷を掛けることもあるだろう。
だが、いずれも期間限定だ。初心者は慣れてくると負荷を上げ、
20代になれば成長ホルモンは減少し、ボディービルダーの体のキレは不安定だ。
ケガは予防するもの
ケガは、どんなに小さなものでもストレスになるものだ。
特に、自分が引き起こしてしまったケガは、生活に不自由を感じる以前に、ケガの原因を作った自分を責めてしまう傾向が強い。
「同一部位のトレーニングは週1回」と分かっているのに、いろいろな理由を付けてオーバーワークをしてしまう人が多すぎる。
「前より筋力が上がってきたから」「調子がいいから」「最大筋量を出すのは一瞬だから」・・・。それでケガをしたら、悔やんでも悔やみ切れないだろう。
筋肉の発達を早める一番の方法は、ケガをせずに、コンスタントにトレーニングを続けることだ。
カッコイイ体になりたければ、まずはケガの予防に努めよう。
トレーニングの目的は何か
初心者にトレーニングの目的を聞くと、「腹筋を割りたい」「腕を太くしたい」など、特定の部位を鍛えたい人が非常に多い。
だからこそ、気になる部分を集中的に鍛えて結果を出したがり、「最大78時間で回復するなら、週に2回は出来る」と思ってしまうのだろう。
でも、考えてみてほしい。腹筋だけ割れれば、カッコイイ体になるのか。腕が太くなれば、逞しい体と言えるのか。
気になる部位があったとしても、最終的には全身のバランスが取れた体を目指すのではないだろうか。
特定の部位だけを鍛えたためにオーバーワークでケガをして、トレーニングが続けられなくなるような事態は絶対に避けるべきだろう。
トレーニングには、冷静な戦略が必要だ。
<まとめ>
早く体を変えたい、もっと体を作りたい、負荷を増やしていくのが楽しい・・・。
トレーニングが楽しくなるとオーバーワークになりがちだが、ケガをしたら元も子もない。
同じ部位を週に2回やるのではなく、部位を変えて全身を鍛えるようなメニューに切り替えよう。
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