この【質問対談】のコーナーでは、北島達也のYoutubeやメルマガの読者から寄せられた“具体的”“基本的”“素朴な”質問に、対談形式で答えていきます!
この記事の目次
体に熱を入れる方法
<聞き手> 『ワークアウトをする際、体が温まらないうちは全く重さを上げられません。
北島さんの理論では、「一番鍛えたいところを筋肉が疲れていないうちにやる」ということですが、ウォーミングアップの効率の良いやり方を教えてください。
また、軽い重量から始めてみましたが、体が温まらないうちは肩まわりの関節が痛くなります。
軽いランニング等で体を温める方が良いのでしょうか?』という質問をいただいております。
< 北島 > ワークアウトの前にランニング等で体を温めた方がいいか、ということですね。
スポーツクラブだと、「15分ぐらい自転車をこいで、ストレッチをして、それからワークアウト」というのを推奨していますけど、トップクラスのボディビルダーやアスリートはそういう準備運動を全くしていませんね。
<聞き手> 以前にそれ聞いた時、本当なのかと疑ったんですけど、北島さんもやってないですよね。
< 北島 > 世界のトップクラスの人が全くやっていないということは、やっていない人が生き残って、やっている人が消えているわけですよ。
やっていないのに世界で通用しているのはおかしな話で、それが正しくなければその人達は残っていないはずですよ。
そんな甘い世界じゃないですから。
やって良いこと、悪いこと
< 北島 > 準備運動としての有酸素運動は疲れるだけなので、まずやってはいけない。
ストレッチも最近は運動の前にやると筋断裂を誘発するので良くないということで、動的ストレッチという、肩を軽く回したりするような軽いストレッチが推奨されています。
例えばこう考えると自然だと思うんですよ。
喧嘩をする時に、本能的にストレッチをやる人はいませんよね。
よく、ゴキゴキと首を回したり、手首を回したりするじゃないですか。あれが本能的な動きで、動的ストレッチなんですよ。
結構、本能のままに正しいことをやっているんですね。
<聞き手> 喧嘩の時に寝転がってストレッチとかやらないですよね。
< 北島 > そんなことは、まずやらないですから。結局、動的ストレッチをちょっとやる程度で、有酸素運動もやらない方がいいんです。
じゃあ、どうやって温めるかというと、寒いところなら、まず暖かい格好をします。
十分に体が温まっているとだいぶ違いますから。タイやロサンゼルスは結構暖かいのでそういう心配はないんですが、寒い日本の冬なら厚着をして、暖房を入れて、暑くて汗がでるぐらいの状態からやるのが理想的ですね。
その上で、軽く動的ストレッチをやる。ぐるぐる回したりして温まったら、軽いものから始めます。
具体的なワークアウトメニュー
< 北島 > 例えば僕もベンチプレスで20kgのバーだけでやったりします。
レベルによって違いますけど、20回から30回ぐらいをすごいスピードでやるわけです。
最初はゆっくりと、筋肉の動きをしっかり捉えるように動かして、動きがしっかりわかったら、胸の筋肉とかを早く縮めていく。
一気に20回から30回ぐらいやると温まってくるので、それから重さを増やして10回から15回ぐらいやって、そして本番セットになるわけです。
もしそこでアップが足りなければ、その時は回数を減らしてみる。120kgと140kgで2回やって、最後に160kgでセットを組んだり、そういうやり方をしていくわけです。
僕達が160kgくらいまで持っていく時は、3回だと肩が温まりきらないので、それを4、5回にすることもありますね。
ですから、毎回10回の1セットというよりも、ところどころで10回ぐらいのを入れて、あと1、2回重さだけを感じるようなセットを入れて肩を温めることも可能です。
あと、3セットでも最初の1セット目は速く回数を多くして、その後にちょっと回数を減らして10回とか15回ぐらい、本番セットは10回出来ないぐらいの重さを組む、という形でやるとかなり温まってくると思うんですよね。
合理的なワークアウトの順番
< 北島 > ですから温度が低い時は、体温をまず上げること。先に有酸素運動をしてしまうと、体力を消耗してしまうので、限界を超えることが出来なくなってしまう。
なるべく体力を温存しながら、体だけ温めるのが大事ですね。
あとは、体の中心に近いところからやった方がいいですね
押す筋肉というのは、胸と肩と上腕三頭筋なんですけど、それを1日に全部やるとしたら、胸・肩・三頭筋という順番でやります。
先に三頭筋や肩をやると疲れてしまって、胸の筋肉を疲れさせるほど追い込む前に動きができなくなってしまうんですよ。
胸を使わずに肩のワークアウトはできますが、胸のワークアウトは肩も三頭筋も使わないとできないんです。
マシーンによっては、肩や三頭筋を使わなくても出来るものが一部にはありますけど。
そして、肩のワークアウトは腕を上げる時に三頭筋をメインで使ってしまう。
三頭筋のワークアウトは三頭筋だけでできるので、最後に持ってきた方が1日でやる場合にはいいんですよ。
ですから、先に肩のワークアウトをすると肩が疲れて、胸はまだ追い込まれてないのに出来なくなるということが起きるので、その辺は注意してもらいたいですね。
最新の理論が体感できるか?
< 北島 > 最近は筋電図を測ったら、「先に鍛えたところの方が使われている」という結果も出たりしているんですが、その臨床結果がどのくらい使われているかもわからないですし、そもそも肩のワークアウトした後にベンチプレスなんかやっても全然重さ上がらないんですよ。
そこで胸を追い込めるというのは、体感的に間違っていると思うんですね。
そういう実験をしているところの意見としては、先に使った筋肉は予備疲労といって疲れているので逆にダメだと言うんですけど、順番としては昔からみんながやって成功しているほうが、間違いなく正しいと思います。
押す筋肉だったら胸からやって、肩、三頭筋。引く筋肉だったら、背中をやって二頭筋というように、この順番を入れ替えない方がいいですね。
<聞き手> なるほど、そこは守った方がいいということですね。
< 北島 > そうですね。一番結果が出ている方法でやるのが一番の近道だと思いますよ。
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