僕は、フリーウエイトで10回くらいしか上がらない重さを3~5セット行い、ひとつの部位を大体5種類ぐらい行っています。
例えば、大胸筋であればベンチプレス、ダンベルフライ、インクラインベンチ、インクラインダンベルフライ、ケーブルクロスオーバーといった感じでトレーニングしています。
北島さんのご意見ですと、これはやり過ぎっていうことになるんでしょうか?
この記事の目次
量も種類もやり過ぎ
まあこれは、間違いなくやり過ぎですね。レベルによっても、種目が増えることはあるんですけど、まず3~5セットはどんなレベルにしてもやり過ぎです。
だいたい3セットぐらい、3セットといっても1セット2セットは準備で、3セット目の最後にレットゾーンに入るぐらい刺激が強いものを入れられるか、っていうのがポイントなんですよね。
例えばそれが寒い日で、力があってベンチプレスが150kgまで上がる人だったら、4セットかけて上げてもいいんですけど、100kg未満とかでしたら3セットぐらいで十分温まるので、まずメインセットが100kg未満ぐらいの人は3セット以内ですよね。
ただ150kg以上に上がるようになってくると、メインセットに行くまでにちょっと刻んだ方がよかったりするので、4セットってことはありますけど、実質効果があるのは1セットですね。
あとですね、フラットベンチとダンベルフライとインクラインベンチとインクラインフライとケーブルクロスって言いましたけど、これは明らかにやり過ぎですね。
まず、インクラインベンチを取り入れるかどうかっていうのは、最初はとにかく種目が単純で少ない方がバルクアップの効果がすごいんですよ。
そこで、形のバランスが過剰発達で崩れてくるから上部を鍛えるようになってきて、最終的にはトップクラスになるとフラットベンチをやらずにインクラインベンチだけということがほとんどですね。
実際に、アメリカ人の世界トップクラスの人は、まずフラットベンチはやらなくなりますね。インクラインベンチだけで下部にも十分入る感じなので。
組み合わせもシンプルに
最初はフラットベンチが一番効果的なんですよ。だいたい100kgが10回ラクラク正確に出来るようになってきたら、ちょっとインクラインベンチを取り入れた方が良くなってくる。
そこからまたパワーが増えると、今度フラットベンチだと肩を痛めることが多くなってきてリスクが高まるので、フラットベンチを止めてインクラインベンチを中心にもってくるんですね。
ですから、例えば上級者の胸のトレーニングであれば、インクラインベンチをやってダンベルフライをやって、ケーブルクロスでおしまい、みたいな人は多いですよね。
もしくは、軽くインクラインベンチをやって、そのままフラットのダンベルを軽めに。
まあ、軽めっていうわけじゃないですけど最初にインクラインで疲労しているので、フラットベンチはちょっと軽くなりますね。
でもベンチはあまりやる人はいないので、その時はマシンを使うこともあるんですけど、それをやってフライをやっておしまいという感じですね。
フラットベンチをやって、ダンベルフライをやって、インクラインをやって、またインクラインフライをやって、ケーブルクロスっていうのは、世界的なトップの人はほぼやらないメニューですね。
日本のトップの人とか細い人はやったりしますけど、それが出来るのは70kgくらいの体じゃないかと思うんですよね。
種目の切り替え
フラットベンチをやるのは初心者にはすごくいいんですけど、上級者にとっては逆にリスクが多すぎて良くない。
上級者といっても、フラットベンチ150kgが10回ぐらい上がる人が正確にやった場合の話ですけど。100kgぐらいでやっている分にはそんなにリスクもないですから。
100kgが10回ラクラク上がるようになって、下部の発達がちょっと行き過ぎたなと思ったら、インクラインベンチを取り入れるかインクラインベンチだけにするっていう感じですね。
レベルが分からないんですけど、この質問者はかなりやり過ぎですね。
まずはフラットベンチを10回ラクラクやれて、筋量が下部にばかりについて上部が追いついてない感じになったら、今度はインクラインに切り替えるんですよ。
両方やるんじゃなくて、インクラインベンチをやって、フラットダンベルフライをやってケーブルクロスとかっていう感じでやれば十分ですね。
あと、世界のトップクラスは、ちょっとシェープを良くするために、好きなものを1種目か2種目足したりしますけど、両方ヘビーにインクラインとフラットをやる人はトップ選手にはまずいないですね。
メインにするのは超上級者であればインクラインがメインだし、初級者、中級者ぐらいまではフラットがメインっていうのがいいでしょうね。
レベルと目的に合ったトレーニング量
それから、5セットはちょっとあり得ないですね。2種目なんか2セットでいいぐらいですね、3セットやらなくても、体が温まっているので。
上級者でも最初に3セットやって、2セット2セット2セットで終わりって感じなので、トータルとしては結構少ない量になりますね。
3セットする意味っていうのは、そもそもウォーミングアップというか、刺激を入れていくっていうので3セット必要だけど、ウォーミングアップが終わっていれば、2セット目でも追い込めますよね。
ですから、初心者であればあるほど単純な種目を少なくやる方がより効果が出ます。
実際、上級者であっても筋肉を太くするバルクアップの時期は、シンプルにまとめて、トレーニングの量と頻度を減らして、休息時間と栄養をしっかりとって、完全な状態で限界にいけるようなコンディションを作ってトレーニングするっていうのが一番なんですよ。
ですから、上級者でも、バルクアップには単純な種目に戻して週3回ぐらいをやるのが一番いいと言われてるんです。
筋肉を大きくすることだけを考えたら、休息時間も必要なんです。
回復に72時間ぐらいかかるので、結局全部回復しきって新しい刺激を入れた方がより強く入れやすいので、世界のトップクラスでも週3回。初心者であれば2回もやれば十分。
休息もしっかり。やり過ぎは細くなる。
とにかく太くしたければ量と頻度を減らして休息をしっかり取る。量をやったら細くなるんです。
そこを間違えないでほしいですね。マラソン選手は量をやっているから脚が細くて、100mの選手は10秒しか走ってないから脚があんなに太いってことです。
それこそ100mの選手なんかは何時間も走るわけじゃないですから、10秒間を何本かでおしまい。トータルの時間はものすごく短いですよね。
例えば10秒間を5本走ったら、50秒しか走ってないわけですよね。それでも十分トレーニングになっているわけですから。
10本走ったとしても、100秒しか走ってないわけですから。
それに比べて40kmとか50kmとか練習で走ってるようなマラソン選手は、2時間も3時間も走っているから脚が細くなるわけじゃないですか。
ということは量じゃなくて、どれだけ短い時間にしてどれだけインパクトを与えるかっていうことなんですよね。
やればやるほど細くなるってことを根本に置いて欲しいですね。
世界のトップクラスでも、筋量を上げたい時期は週3回に落とした方が太くなるっていうのが常識です。常識というか、それが出来ている人達がトップに行けるんです。
質問者も今まで過度のトレーニングをしていたと思うので、そこをしっかり理解した上で、やっていくようにしてほしいですね。
こんな記事も読まれています
この記事の動画はこちら https://www.youtube.com/watch?v=2iXkIdOjcYE
Copyright © 2015 Ambitious inc. All Rights Reserved.
※本サイトの記事の転載、転用を固く禁じます。発見した場合は法的処置を取らせて頂きます。