「ポジティブトレーニングとネガティブトレーニング、どちらが効果的ですか?」と聞かれることがあるので、その違いについて説明しよう。
この記事の目次
ポジとネガは同量ではない
腕を例にとって説明すると、腕を上げる動きをメインに考えたのがポジティブトレーニング、
腕を下ろす動きをメインに考えたのがネガティブトレーニングということになる。
筋肉が収縮に向かうからポジティブ、
収縮が戻されるからネガティブと覚えるといいだろう。
ただし、2つの相反する動きのトレーニングを同じ量だけやるかというと、そんなことはない。
実は、現在アメリカではネガティブトレーニングをやっている人はほとんどいない。
特に、トップ層のボディビルダーはポジティブトレーニングだけをやっている。なぜ、
ネガティブトレーニングをやらないのだろうか。
正しい方法と科学
俳優になる前のアーノルド・シュワルツネッカーが、ボディビルダーの世界チャンピオンだったことは知っているだろう。
彼が世界大会で6回優勝したのは40年くらい前の話だが、いま見ても40年前のアーノルドの体はスゴイ。
あの体を見ると、当時の科学的トレーニングがどれほど高次元のものだったのかと期待しそうになるが、
当時の科学は現在では笑ってしまうような、デタラメなレベルのものだった。
仮に40年前にタイムスリップして、トレーニング方法を科学者に聞くかアーノルドに聞くかを迷ったら、
アーノルドに聞いて真似した方が絶対に間違いない。
科学的に正しいと言われるデータの多くは、データの取り方に問題がある。
まず、被験者が100人から200人程度と少ない。そして、データ収集期間も1年から2年と短い。
それに比べて、世界中のボディビルダー何千人・何万人が何十年もやってきたトレーニング方法のデータの方が、信憑性は高いだろう。
検証データ数が比べものにならないし、被験者が初心者と世界一を争う人とではデータ結果もまったく違う。
何を信用するか
今の科学も10年後にはデタラメになっている可能性がある。
そうなると、信用できるのは世界トップのボディビルダーのやっていることであり、
それが結果的に正しいトレーニング方法ということになる。
つまり、トップ層のボディビルダーがネガティブトレーニングをやらないということは、
筋肉を太くするにはポジティブトレーニングの方が有効だと判断しているということだ。
ただし、上級者の真似をするときには気を付けなければいけないことがある。
トレーニングは筋肉への刺激で疑似環境を作り出し、脳に「筋肉が必要だ」と思わせればいいのだが、
たまに脳が騙されないことがある。
そのようなトレーニング効果が低下する事態を防ぐために、上級者は敢えて理屈に合わないトレーニングをやって、
脳と筋肉を混乱させる方法を取る場合がある。
真似をするときは、正しいトレーニングをしている場面を真似してほしい。
それでもやりたい場合は・・・
ネガティブトレーニングも効果がないわけではないし、以前からやっていてネガティブトレーニングが好きな人もいるだろう。
その場合でも2・3週間に1回で十分だ。
ネガティブトレーニングはケガをしやすいので、十分に気を付けてほしい。
<まとめ>
いまのトレーニングの主流はポジティブトレーニングだ。
トレーニング方法に迷ったら、現時点のトップのボディビルダーがどんな方法を取り入れているかを調べて、
真似するのが一番いい方法だ。
ただし、どうしてもネガティブトレーニングを取り入れる場合はピンポイントに留めておくことが肝心だ。
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