筋トレをして骨格を変えることはできるのでしょうか?
私はO脚であることにコンプレックスがあって、どうしても治したいのです。筋トレでO脚を矯正できるのでしょうか?
また、ジムでは姿勢が悪いことを指摘され、骨盤矯正してくださいとか、インナーマッスルを鍛えてくださいと言われましたが、本当にそのやり方でいいのか疑問に思っています。
その辺りについて、教えてください!
この記事の目次
ウエイトトレーニングで治せる範囲
まず「骨格が変わるか?」ということですが、成人であれば骨格自体はほぼ変わらないですね。
胸郭など一部に軟骨が含まれているところは、軟骨が年間に数ミリ成長することはありますが、基本的には成人になってから骨自体が成長することはまずないと思ってください。
あと「骨の変形が治るか?」ということについては、O脚はほとんどの場合が骨の変形ではありまでん。
姿勢の悪さから立ち方の体重バランスが崩れてO脚になっている方が多いので、骨自体の過度な変形というよりも、体重バランスでちょっと軟骨を矯正してあげる程度で済む場合が多いと思うんですよね。
骨が極端に湾曲してるような場合ならトレーニングをしても治らないし、矯正もたぶん無理だと思います。
ただ、矯正で治る範囲のO脚なら、姿勢とトレーニングでも治りますね。
あと、筋肉がなくて脚の間がスカスカに見えてO脚が目立つということもあるので、若干の骨の歪みなら筋肉で見た目はごまかすことはできますね。
姿勢とインナーマッスルは無関係
そこで、「正しい姿勢をするのに、インナーマッスルを鍛える必要があるか?」ということですが、そもそもインナーマッスルを、日本人はかなり間違って解釈しているんです。
結構、デタラメな知識が広まっているせいでもあるんですけど。
まず、インナーマッスルが筋肉だと思っているのがおかしいんですよ。
筋肉は筋肉ですけど、じん帯に近い状態のものなんです。例えば、肩関節や股関節は丸い骨にソケット状に入っていて、じん帯で抜けないようになっていますよね。
ただ、全部がじん帯だと、過度な刺激が入った時に骨が飛び出ないように働くため、骨折してしまうんですよ。
でも骨折は今でこそ医療が発達しているので治りますが、野生では死ぬかもしれない重大な怪我なんですよ。
野生動物が骨折したら、それが原因で死んだりしますから。
そこで、過度な刺激が入った時に、一時的にリリースする場所が必要で、そこがインナーマッスルという筋肉でできているんです。
骨折するより、脱臼する方がダメージは少ないですよね。
ですから、インナーマッスルは通常の動作で使うものではなく、力が出るわけでもなく、ましてや姿勢とはほぼ関係ないですね。
インナーマッスルに関する誤解
アメリカでも、インナーマッスルを鍛えることで怪我が防げるんじゃないかと言われた時期がありましたが、その後の調査で、インナーマッスルのトレーニングをしても怪我の発生率は全く変わらないことが判明したんです。
そのため、インナーマッスルのトレーニングはすっかり過去のものになりましたね。
インナーマッスルというと、腸腰筋や胸の中にある小胸筋などの見えないところにある筋肉だと誤解している人がいますが、それらはただ隠れているだけでアウターマッスルなんですよ。
インナーマッスルというのは、他の筋肉とは完全に仕組みが違っていて、じん帯の代わりのように、関節を固定するためにある筋肉なんです。
過度に負荷がかかった時に骨折を防ぐために、力の逃げ道を作ってあげるための筋肉なので、インナーマッスルを鍛えて何が変わるということはないですね。
逆に、インナーマッスルが強くなったら、本来の目的が失われて骨折するって話になりますよね。あくまでもリリースするための筋肉ですから。
まずはまっすぐ立つ練習から
質問者がどの程度のO脚なのか分かりませんが、骨が変形しているようなO脚なら矯正でも治らないですし、矯正で治るレベルであれば正しい姿勢でトレーニングすることで自然に治っていきますね。
ただ、正しい姿勢でまっすぐ立つのが、意外に難しいんです。
自分ではまっすぐに立っていると思っていても、まっすぐじゃない場合がほとんどです。
骨盤の角度や体重バランスなど、体の上から下まで全部を調整してはじめて、正しい姿勢でまっすぐに立てるんです。
自分の「まっすぐに立っている感覚」は全く関係ないんです。感覚ではなく、きちんと鏡で確認して正しい姿勢を作ってください。
自分の感覚というのは、日ごろの動作のクセで結構歪んでいるものです。証明写真を撮る時に、自分ではまっすぐ正面を向いているつもりなのに、カメラマンに直されることがありますよね。それと同じで、歪んでいることが分かれば自分で直せるんですよ。
変な矯正をしなくても、正しい姿勢を意識して、鏡をまっすぐに見て、歪んでいる部分を調整する。それでトレーニングすればいいだけの話ですよ。
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