トレーニング時の水分補給の重要性は広く知られるようになったが、塩分補給はまだまだ認知されていない。
水分と塩分の取り方については間違えている人が多いし、間違うと非常に危険だ。
水分と塩分の補給について、正しい知識を身に付けよう。
この記事の目次
水と塩と血管
まず、運動をする人は塩分を多めに取った方がいい。
汗をかくと、汗と一緒に塩分が出てしまう。塩分が足りなくなると、血管から水分が出てしまい、血液が濃くなってドロドロになってしまう。
例えば、味噌汁を煮詰めて水分を飛ばしたら味噌が残るように、血液も水分がなくなって濃くなると血管が詰まって死ぬ可能性もある。
なぜ、塩分が足りなくなると、血液中の水分がなくなるのか。
血管はチューブ状になっているが、そのチューブは細かい網目状になっている。
水の分子は網目より小さいので血管中に留まることができないが、塩分と結び付くと水の分子は網目より大きくなるので血管中に留まることができる。
塩分があるから、血液がドロドロにならずに済むのだ。
飲み物と塩分
「水分を取っているから大丈夫!」と言って、ウォーキングをしながらお茶を飲んでいる人がいるが、非常に危険な考えだ。
お茶には利尿作用があるので水分が出やすくなるうえ、塩分が入っていないので血液がドロドロになるのを加速させる可能性がある。
また、スポーツドリンクも栄養バランス飲料として効果を盲信されている部分があるが、商品によって成分は大きく異なるし、糖分が多いので大量に飲むと肥る可能性がある。イメージや味だけで選ばないようにしよう。
そして、いずれを飲む場合も、それだけでは塩分が足りていないことを自覚する必要がある。
塩分の取り過ぎを気にする人もいるが、運動をしているなら、塩分は多めでいい。
運動時に塩を舐めるだけでなく、普段の食事から塩分を多めに取っておこう。
大体、塩分で肥るとか、水肥りなどと言う人がいるが、いずれもイメージであって、実際に肥ることはない。
肥る原因は、あくまでも体脂肪の増加だ。むしろ水分を控えると代謝が悪くなって、余計に肥りやすくなる。
渇く前に飲む
パフォーマンスを上げるには、水分を取るタイミングも重要だ。
喉が乾いてから水分を取るのでは遅い。
喉が渇くのは既に水分が足りていないという信号なので、その時点でパフォーマンスは低下している。
水を定期的に飲んで、体内の水分量を下げないようにしよう。もちろん、塩分も一緒ならなおいい。
特に暑い時期は喉の渇きとは関係なく、水分と塩分を補給してほしい。
また、水を飲むとお腹がチャポチャポして動きづらいと言う人は、1度に飲む量が多すぎる。お腹に溜まらない量を小分けに飲もう。
温かいお茶もほどほどに
暑い時期でも冷たい飲み物は体に悪いと言って温かいお茶ばかり飲んでいる人がいるが、それも場合によっては考えものだ。
運動の後で体が熱いときは、体を冷やすために冷たい水が必要だ。
人間の体も機械と同じで、オーバーヒートの状態にあるときは冷やさなくてはいけない。
「冷たいものは体に悪い」などと言っている場合ではない。胃腸が弱くても、常温より冷たい程度の水は飲めるだろう。
<まとめ>
運動時の水分補給の重要性は知られていても、「いつ、何を飲めばいいか」「水分だけでいいのか」という部分はまだまだ知られていない。
トレーニングのパフォーマンスを上げるのはもちろんのこと、体調管理の面からも、積極的に水分と塩分を取ろう。
水分と塩分の取り過ぎを心配するくらいなら、体を動かして、どんどん循環させよう。
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